そんなところへ

優男医師が戻ってきた


danekoはほぼ

タクシーででもいったん帰宅しようと決めていた


「僕の後に

○石という担当に変わります

僕は明日は他のところへ行くので

明日まで○石に引き継いでおきますが・・」


と、いうコトバの片隅に

なんとはなしに自信のなさを感じ取ったdaneko

○石というのはあんまり・・な感じかなと思う


と、優男医師は非常勤だったのか

それとも明日はバイトなのか

ちょっと聞いてみたい気がした


そこへ、

「た、大変です!」

と別の看護師が駆け込んできた


「病室は今夜、救急が入ってすべて満室です

いまはICU(集中治療室)しかベッドがありません

しかも、ICUの外のエリアです」


と顔色を変えて報告に来た


ICU。。。

あそこ、変になるんだよね

昼なお暗く かといって

夜は完全に暗くはならず


死にそうな患者がいっぱいおり

モニターの警報音が常にどこかで鳴っている


隣との仕切りはカーテンだけ

それすら開けっ放しになったりする


ICUに入った母親が

数日でおかしくなったことを思い出した


夢と現実の交錯がひどく

昼夜逆転も起こしていた


これは断固拒否だ


だ:あの〜そんなところで眠れませんよね。。

あそこで親がアタマ変になって困ったんです

一晩でも行きたくないです


とはっきり告げると

優男医師も看護師も誰も否定できず

黙ってしまった


ICUとはそういうところである


「う〜ん」


優男医師はいまや、腕組みをして困っている

早くここを決めないと

処置室は午後6時で閉まるらしいのだ


「よし、わかりました

一回飲んだら一週間効く薬を出しましょう

それを飲んで、明日また来てください

明日の入院にしましょう」


という

しめた!

家に帰ればこっちのもの♪

danekoは内心ニンマリとした